drafts/20070107retrospective

全体ふりかえりがまだできていないので、読書ふりかえりからはじめる。

2006年の読書が宮本常一の年ならば、2007年は、2006年に芽生えたメタファーじゃないエコ/サステナビリティ(持続可能性)を勉強した年だった。そのため生業のIT関連の書籍に関しては例年に比べて大幅に減った。また2007年は春から夏にかけて図書館通いをして本代節約もした。8月以降は理由あって読書を自主的に止めたので、全体の読書量としてはそれほどではないけれども。

ちなみに、昨年の読書に関しての俺ルールは「成功本は極力読まない」でした。

ベスト10

スモール イズ ビューティフル―人間中心の経済学

今年のNo1。出版は1970年代なのに内容が古臭くないし気づきが多い。。中間技術(Intermediate Technology)という概念に感動。中間技術はTPSにもAgileにも繋がるし、宮本常一の言葉とも広く重なる。中間技術をソフトウェアの世界にもってきたいという思いに強くかられた。その思いが脳から漏れたのが、昨年XP祭りの 夜LT だった。原著もそのうち読みたいなぁ。

ゲド戦記シリーズ

フリーブックの ゲドを読む を読んでから一気にはまった。もっとはやく読んでおきたかったなぁと思った。今の自分自身や、現代社会が抱える問題に対しての一つの回答なのかもしれないなどと色々考えさせられる本。この本を読む前にアボリジニに関する本をいくつか読んでいたので、通じるものが多かった。原著も買ったが、ソフトウェアとは違い表現が難しすぎて挫折気味。

なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?―小さな力で大きく動かす!システム思考の上手な使い方

自分の中で今年最大のキーマンとなった 枝廣淳子 さんが関わるシステム思考の入門書。システム思考(システムシンキング)については、過去にも色々書籍が出てるらしいけど、こいつが一番わかりやすく親しみやすいと思う。システム思考とふりかえりのつながりや、ソフトウェア開発の世界でも実はリーンソフトウェア開発やその他の本でも言及されていながら、あまり表に出てきてないことにも気づかせてくれた。今年はもっと踏み込んでみたいものの一つ。 新書版 もある。

社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論

上司から「製品とその品質に対する考え方」が参考になるよ、と借りたのだが、その部分もさることながら、パタゴニア創始者 イヴォン シュイナードの環境に対する真摯な姿勢に衝撃を受けた。社会起業家(ソーシヤルアントレプレナー)という存在を意識させてくれた本。借りて読んだのに、その後に自分で購入した。そして自分自身もパタゴニアファンに。

成長の限界―ローマ・クラブ人類の危機レポート

今につながる環境問題についての警鐘を1970年代に唱え、今なお通用する古典。現在は第三版が出版されているが、あえて図書館で初版を選んだ。当時の非力なワークステーションによるシステムダイナミクスを駆使したシミュレーション結果を、キャラクターを使ったグラフで表現し、地球に無限の成長はあり得ないことを示している。当時はエネルギー枯渇や食料危機といった問題を取り上げてはいたが、危機が温暖化になっても、その内容は30年以上経った今なお通用すると感じた。逆に言うと、30年前の警鐘を無視して今の危機に直面している自分も含めた人間に軽く失望できる本。11月に来日した著者の1人、デニス メドウズ氏の講演も聞きにいったよ。

生物と無生物のあいだ

ゲノムを中心に生物に関わる研究者の研究とその生き様を語りながら、最終章で生物の本質に気づかせてくれた。あまのりょーさんとのシンクロを感じたなぁ。急いで読んだので「動的平衡」しか覚えてないのだけども。

日本再生のルール・ブック―ナチュラル・ステップと持続可能な社会

スウェーデンの環境運動団体であるナチュラルステップの解説本。ナチュラルステップは、自然科学に基づく4つのシステム条件を明確化し、その中で如何に企業や社会が持続的に活動をしていくかという問題に取り組んでいる。ノキアやイケヤを初めとする超一流企業がナチュラルステップを採用し成功しているそうだ。単にエコというのではなく、持続可能な社会と経済を両立させることを目的にしている点がすばらしい。

ナチュラルステップで言われるバックキャスティングは2006年から引き続き重要キーワード(うまく実践できてないのだけれども)。ナチュラルステップの日本支部の代表でもある著者の高見幸子さんの講演も聞きにいったよ。 俺の北欧ブームは2006年から [1]

[1]: ちなみにバックキャスティングについては、2006年に スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」 で衝撃を受けた時に知った。

沢田マンション超一級資料―世界最強のセルフビルド建築探訪

昨年末ぎりぎりに羽生田さんに教えてもらった意外なヒット。高知にある、世界でも稀有なセルフビルドの鉄筋コンクリートマンションの話。一言で言うと「建築でアジャイル」。イテレーティブかつインクリメンタルなその建築プロセスと、人が住んでても構わず改築増築を続けるその柔軟性、そして様々な工夫をこらした実用的な仕掛け、そしてたった二人で100部屋のマンションを造り初めたその多能工ぶりは、従来の建築の枠には収まらない。自然との共生をテーマにしている点からみても、パーマカルチャー的な側面でも面白いのではないかと睨んでいる。沢マンを世界のソフトウェア業界に紹介するのは日本人の役目だよね〜。泊りにいきたい。

アジャイルレトロスペクティブズ 強いチームを育てる「ふりかえり」の手引き

海外のふりかえり本。非常にファシリテーション色が強く、アジャイルと書いてあるが、アジャイルに限らず、もっと汎用的に活用できる内容になっている。KPT中心の日本のふりかえり業界に衝撃を与えたのでも有名。ちょっとだけ自分の名前も出てたりする。kdmsnrさんのGJ。

アジャイルプラクティス 達人プログラマに学ぶ現場開発者の習慣

Pragmatic ProgrammerのAgile版と言い切ってしまうのもどうかと思うが、そんな感じの本。原著の表紙がダサダサなのに、邦訳版の豪華さは一体何!?さすが今ノっているオーム社。この本もアジャイルという冠にこだらずに、すべてのソフトウェア開発者に読んでもらいたい名著。心が折れそうになったら天使の言葉を抱いて寝よう。開発者のみでなく、ソフトウェア開発に関わるすべての人に読んでほしい。しかしそう思えば思うほど、アジャイルという言葉が壁になっているような気がしてならないのは俺だけ? 監訳者がESMのkakutani & fkinoなので、訳やプロモーションにも気合が入りまくっているなぁ。

番外

用土と肥料の選び方・使い方

ベランダ農園をはじめようと思った時に図書館で借りて土づくりの参考にした本。あまりに素晴しくて、図書館に返した後に自分で買ってしまった。土というものについての知識を、わかりやすく、かつ詳しく教えてくれる。そして何より土という存在が、如何に生物にとって重要なのかを教えてくれた。園芸の本でこんなに感激するとは思わなかったので紹介。

ああ、そういえばインパタ含めるの忘れた...