XPとパーマカルチャー
パーマカルチャー
パーマカルチャーとは、永続的(permanent)と農業(agriculture)、文化(culture)から作られた造語で、持続可能な農を中心とし、人、経済、地域、そして単に農村だけではなく、都市までも含み循環する環境をデザインする知識体系だ。パーマカルチャーは倫理(価値観にあたると考えてよい)、原則と、そこから派生する具体的な実践から成り立つ。以下に倫理と原則を挙げてみる。
3の倫理
- 地球に対する配慮
- 人への配慮
- 資源の共有
12の原則
- 関連性のある配置(適材適所)
- 多くの機能をもたせる(百姓であれ、得意分野ももつ)
- 重要機能は多くの構成要素によって支持される(重要機能は複数の方法で対応する)
- 効率的な活動エネルギー計画(シンプルに)
- 生物資源の活用(生き物を使って仕事をする。人も生き物である)
- エネルギー循環
- 小規模集約システム
- 遷移と進化の促進
- 多様性
- 接縁効果(環境の境界を活用する)
- 態度
XPとパーマカルチャーの類似点
はじめてこの倫理、原則を見た時、XPやAgileに似ていることに気づいた。多様性、シンプル、持続的、過剰、そして変化を前提にしている点だ。パーマカルチャーのデザインのステップとしては、情報収集、観察、対話、実践というフィードバックベースの方法を推奨している。それは「生命体が関わってくる設計はすべて、長期にわたる変化の過程を経ていくものである」であるからだ。これは一筆書きで進まず、進化的設計を遂げていく点に類似する。 また、パーマカルチャーが、現状に「NO」と言わずに、「YES」と言っている点にも注目したい。これは生みの親であるビル・モリソンが環境保護運動に身を投じ、反対することだけでは何も生まれないということに気づいたためだ。これはAglie Manifestの「AよりもB」という表現方法に類似する。
これらの事実を踏まえて1つの仮説を立ててみる。
XPは 「コントロール不能な要素を対象にして、支配するのではなく変化に適応し、持続的に物事を成し遂げようとする際の行動原則」 に基づいている
つまり、ソフトウェアの回りを取り巻く要求、技術、そして時代の変化、すべてがコントロール不能であるという前提に立ち、その中でどう、うまくやっていくかのベストプラクティスを元に生まれたのがXPである、ということだ。変化に対応するためには、やり方が固定されていては都合が悪い。そのため実践を例として見せながらも、原則により環境に適応できるように方向性だけ提示している。パーマカルチャーも適用される環境は地域によってまったく異なる。そのため実践がどこでも有効というわけではない。100人いれば、100通りのパーマカルチャーがあると言われている。パーマカルチャーもXPと同様に、具体的な実践を提示しているため、「パーマカルチャーで紹介している実践をしていれば、パーマカルチャーである」という誤解を受けられてしまうことがあるという。プラクティス偏重主義の誤解を受けやすいXPと同様ではないか。
Social Change
そしてXPとパーマカルチャーに共通のメッセージとして「1人が変われば世界が変わる」というものがある。つまりSocial Changeだ。パーマカルチャーのもう1人の生みの親であるデビット・ホルムグレンは次のように語っている。
地球上で1人ひとりが暮し方を変えれば、とてつもない社会的な変革が達成できる可能性がある。 パーマカルチャーの重点が1人ひとりの態度の変革に重きをおくのもそのためだ。 パーマカルチャーが主張する変革は底辺から、1人ひとりの内から始まる。 裏庭や家を起点に地域社会、世界、地球、宇宙へと広がっていくのだ
上記の発言のパーマカルチャーの部分をXPに、対象をソフトウェア開発を取り巻く環境に置換してみるとどうなるだろうか...
最後に
このエントリを書いていて、ぱらぱらとXP 2ndの参考文献を見ていた...そして見つけた。
「Bill Mollison and Rena Mia Slay, Introduction to Permaculture」
Kentは「パーマカルチャーはXPといくつかの類似点を持っている」と述べている。 しかし表面的な類似点だけではなく、もっと根幹でXPとパーマカルチャーは繋がっていると感じる。
すべては繋がっているんだ...。
そして、ソフトウェア開発の現場でSocial Changeが可能ならば、きっともっと大きなSocial Changeも可能であるはず。
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