自分の中でのパターンランゲージについての再認識
先日、パターン ランゲージをそのまま使うという発想 というエントリを書いて、パターンランゲージで記述されているそのものの内容について理解を進めている。それとは別に、 パターンランゲージによる住宅の建設 を読んでみた。
これらから得られた、現時点での気づきをまとめてみたいと思う。これまでいろいろな所で言葉になっているものばかりかもしれないが、少なくとも自分の中でのパターンランゲージに関する誤解、そして今あらためて読むと理解できる点が所々にあると思い、あえて書いてみようと思う。自分の理解が足りなかった点が露呈されてしまうが、それはそれ、これはこれ。
パターンランゲージの内容について
パターンランゲージに掲載されている253のパターンは、環境と調和し人が人として生き生きと生きていける地域、都市、町、コミュニティ、家を構成するためのパターンである
これは、今名付けるとするならば、 人が生き生きと暮す持続可能な町づくりパターン とでも言えようか。サステナビリティという観点が発表当時(1970年代)よりも(ようやく)重要視されてきた昨今、持続可能性という視点で再度注目されるべきだと感じた。
パターンランゲージについて
パターンランゲージによる建築とは、パターンというカタログ化された知恵の集大成を利用しながら作る、というよりも、パターンという共通言語を用いて、作り手のアーキテクトビルダーと、施主(住む人)が建築プロセスに主体的に参加することを通じ、施主が本当に欲しいもの(=住人が生き生きと暮せる家)について様々な発見を行っていくプロセスそのものに価値があると強く感じた。
更には、建築中だけでなく、その後の生活を通して、よりよい生きかたを実現していくものとして捉えた。
一般にソフトウェア開発の中で知られているデザインパターンは、知恵のカタログと共通語彙化の価値は高いが、本来のパターンランゲージの持っていた施主の主体的参加(=ソフトウェアでいうと顧客参加)という観点は当然ではあるが欠落している。その他の各種パターンはあるが、それらもほとんとは知恵の名付けという目的で滞っているように思える。
XPとパターンランゲージの関係について
XPはパターンランゲージである という時に、「XPのプラクティスが、パターンとうい表現形式を使ってはないが、XPがパターン集である」という理解 に加えて、より重要なのは、「XPはパターンランゲージを利用した時のアレグザンダーが進める建築プロセスを、ソフトウェア開発上で実現しようと試みたもの」という認識であることに気づいた。
このことは、すでに数年前に XPとパターンの関係で一部は語られてはいるが、XP=パターンランゲージという本当の意味は、この「パターンランゲージによる住宅の建設」を読んではじめてわかった。
あらためて言うと、「XPはパターンランゲージを利用した時のアレグザンダーが進める建築プロセスを、ソフトウェア開発上で実現しようと試みたもの」だ。Kentに聞いてないけどきっとそう。
XPがソフトウェア開発における「うまくいくやりかた」をパターンという形を隠しながらまとめたというこにも価値があるが、アレグザンダースタイルの開発をソフトウェア開発において実現しようとした所にあらためて見ると高い価値を感じる。(具体的な例は別途まとめてみよう)
そして、アレグザンダーの本にあって、XPにないのは コストコントロール と スケーリング であった。コストコントロールについては、変更コストについての説明でよしとしているのかもしれないが、すくなくともアレグザンダーの提示しているものとは違う。スケーリングについては、最近では、XPではなく他のAgile(Scrumやリーン)のコンテキストで語られてきてはいる。
また、アレグザンダーが目指す建築プロセスは、E.F.シュマッハーが提唱していた Intermediate Technology に非常に似通っている。利用者参加の視点、効率性によって人間性が失なわれてはいけないこと、仕事における楽しさ、などなど。パターンランゲージの中にも、シュマッハーの「仏教経済学」への引用があった。これはポストモダニズムが盛んに言われた時代背景もあるのかもしれない。
パターンランゲージを活用する
XPとパターンランゲージで検索したら、こんな論文があった。
CiNii - D-17-3 パタンランゲージを利用したXPのためのオフィス環境設計事例(D-17. ソフトウェアインタプライズモデリング
これはまさに、先日のエントリで考えていたことだ。すでに事例としてまとめられているそう。これらをアジャイル開発ファシリティ戦略としてまとめられないだろうか、と思う。
今のまとめ
これらを一言で言いあらわすと「作り手と使い手の生き生きとした仕事と成果の実現」なんだろうか。まだまだ行けそうな予感。 ひとまずこんな感じ。
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