7/9 池袋ジュンク堂トークセッション

トークセッション

おくればせながら...先日 7/9 にジュンク堂にてトークセッションに参加してきました。 江渡さん の「パターン、Wiki、XP」のレビューをした、という縁があって、江渡さん直々にお声掛けいただいたこともあり、初の参上と相成りました。

元々、本書のレビューワーとして参加したきっかけは、ESM社内で昼休みに不定期開催している「いきいき読書会」 [1] でアレグザンダーの思想、著作を再発見していたのを 平鍋さん が知って、技評の稲尾さんに紹介してくれたという縁からはじまりました。そもそもアレグザンダーの再発見に至ったのは、昨年の沢マン訪問、中埜さんの講演、「パターンランゲージによる住宅の建設」のXPとの類似性、という一連の流れがありました。

この本をレビューしていく中で、江渡さんの大変丁寧に調査、整理された関係性のトレースが、それまでに感じていたアレグザンダーを中心とした一つの物語の世界観を確かなものにすることができました。本当にこの本は凄い!! 英語で出すべき!! と主張したのは私です。

[1]: 最近休止しているなー。また復活したいのだが。

正直、事前の数度の打合せの中で、自分と 角谷さん との間で、落とし所とそこへの持っていき方についてかなり迷っていました。しかし当日の江渡さんの説明が非常に丁寧でわかりやすく、聞き手が、我々2人の話を受け入れる土壌を作ってくれたのではないかと感じました。おかげさまで以降は好き放題にさせてもらいました。

今回は打合せの時に、毎回ホワイトボードがぐしゃぐしゃになったことを反省して、模造紙を貼り、個々の対象とその関連を図示するという試みをしました。一度話し出したら止らない角谷さんに喋りはまかせて、グラフィックレコーディング担当で描いていましたが、正直あの場にいた参加者の方々にとって理解の助けになったのかは自信がありません。もし、歴史が紡いだWikiを中心とした世界の関係性が図示できていれば幸いです。

また、まだ全巻制覇していない(購入はしたけど) Nature of Order についての説明の中で、Structure Preserving Transformations(構造保存変換)、今の言葉で言うと Wholeness Extending Transformations(全一性拡張変換)という概念が、来場者の方々にすっと受け入れられたのが新鮮でした。自分らも、まだ完全に理解しているわけではないので、解釈が間違ってたらすみません。一緒に学んでいきましょう。

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人と事柄の関係性を図示

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Nature of Orderを軸にした図

補足

全一性拡張変換について補足しておきます。Nature of Orderの2巻には、構造保存変換の例として環境に溶け込んだポスト、構造破壊変換(Structure Destroying Transformations)の例として環境に溶け込んでいない違和感のあるポスト、という写真が例示してあります。この2つの写真が言わんとすることは、ポストと周囲の環境との関り方、つまり調和、全一性の重要さです。

先日のトークセッションでは、ソフトウェア自体の全一性拡張変換の話に終始しましたが、他にも重要視したいのは、ソフトウェアとそれを使う周辺環境(人、業務、ビジネス)との関り方についての全一性拡張変換についてです。ユーザーの利用と経験も含めての全一性拡張変換、この点については、個人的には時間と変化の積層という観点で語ることができるかもしれないと考えています。 [2]

[2]: たまに超飛び級とかする天才少年もいると思いますが、単に知識レベルが大人と同一というだけでは場に溶け込むのは難しく、やはり世代毎の話題、大人に至るまでの歴史を積み重ねていないと難しいのと同じです。

そして補足2としては、パターンランゲージによる建築をソフトウェア開発に取り込もうとした試みがXPだとすれば、ハッカーから生まれた「UNIXという考え方」は出自が違うとは言え、作り手視点での非常に似た方向性だと感じています。この辺りの話は別の機会にできればと思います。

まとめ

自分にとっても、アレグザンダーからのリンクを辿る旅が、江渡さんの本をきっかけに、こんな形で広まっていくことがとても痛快です。もともと今年は、去年のオブラブ冬のRejectTalkで(半分ネタ、半分本気で)話した いきいきソフトウェア開発宣言 を作りたいと考えていたので、思わぬところからの援軍があり勢いづいてきた気がしています。そういう意味でも世界は繋がっていると感じざるを得ないです。

更に勢いで Wikiばな でも話すことになってしまいました! お題は「沢マンとWiki」(!)。沢マンについては、トークセッションではあまり語りませんでしたが、なんと30分(!)も時間を頂いているので、 沢マン記事 や、 デブサミ2009のLT で語れなかったことを含めて自分の中の沢マン集大成にしようと考えています。その中でアレグザンダーと全く関係ない沢マンとのつながり、AgileやWikiとのつながり、などを表現する予定です。

謝辞

まず今回のトークセッションに御指名いただきました江渡さん、稲尾さん、当日関連書籍などの手配をして頂いた池袋ジュンク堂長田さん、当日模造紙のセットアップなどでご協力頂いた池袋ジュンク堂のスタッフの皆さま、Wikiばな登壇を御指名頂いたshinoさん、しゃべり担当でいつもの感じでしゃべってくれた角谷さん、ご来場頂いた皆さま、ustで試聴頂いた皆さま、ありがとうございました。

過去の関連エントリ

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