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10/19に内幸町のプレスセンターホールにて「新聞週間記念の集い」で枝廣淳子さんと茂木健一郎さんが講演をするとのことで参加してみた。お題は「私の新聞活用術」

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071019ic23.htm

会場の予想外の平均年齢の高さにまず驚き。いつもの業界系のイベントとのギャップにおどろく。しばらくして開始。最初に記念の集いについての挨拶があった。新聞はネットとの共存に大変らしい。

枝廣さん

タイトルは「考えるヒントを探して〜私の情報収集術」

枝廣さんは先日ノーベル平和賞を受賞したアル・ゴアの「不都合な真実」書籍版の翻訳者であり、 Japan For Sustainability (JFS)の主催者でもあり、システム思考による問題解決をサポートする会社 Change Agent の代表でもある。 自分は以前、枝廣さんの会社の イーズ が主催するシステム思考のセミナーや、 ナチュラル・ステップ のセミナーに参加したことがあり、「Change」つながりですねということでご挨拶させてもらった。「2時起き本」や「細切れビジョン」といった セルフマネジメントを中心とした書籍 も多数執筆されている。

枝廣さんは、自分と新聞とのつながりや、どんな目的で、どのように情報収集をしてきて、同時通訳者となり、そして環境の道へ進んだかを、システム思考のループ図を使いながら、わかりやすく説明していた。そして環境(温暖化)の話へ。

枝廣さんは、GNPという指標が実は人間の幸福に繋がらないアクティビティでも上ることに疑問を感じて新しく提唱されているGPI(Genuine Progress Indicator)や、ブータン国王が20代の時に提唱したGNH(Gross National Happiness)という指標を紹介した。

この話を受けて、Quality of Engineer Lifeにも、GEH(Gross Engineer Happiness)とかGPH(Gross Project Happiness)いう指標ができればいいのかもしれないと考えた。または、そのままGPIやGNHを使ってもいいかもしれない。例えばニコカレと何かつなげることはできないだろうか?

ちなみにブータンのGNHの指標は次の通り。( 枝廣さんの記事 から引用)

  • living standard(基本的な生活)
  • cultural diversity(文化の多様性)
  • emotional well being(感情の豊かさ)
  • health(健康)
  • education(教育)
  • time use(時間の使い方)
  • eco-system(自然環境)
  • community vitality(コミュニティの活力)
  • good governance(良い統治)

また講演の最後の方で、枝廣さんの新書にも紹介されている システム思考のわかりやすい例 でシステム思考の説明をされていたのだが、休憩時間の間に後ろのオバサマ方が「システム思考は役立ちそうだわねぇ」という話をしていた。システム思考をビジネスの領域から、もっと身近なところへわかりやすく紹介しているのが、枝廣さんの大きな功績の1つだと実感した。

以下まとめ。

  • 情報収集の上位目的が何かを認識すること
  • 自分が大切/緊急でない、というものに着手できる割合をどれだけ増やせるかが重要
  • 静的な構造では読みとれない、ダイナミックな相互作用をどう見せていくかが重要
    • システム思考で言うところのループ図
  • 情報は収集だけでなく、発信することで更なる情報が収集できる
    • 情報を発信するところに情報は集まる
  • 「自分の頭で考え、自分で選び、自分で決めること」が重要

茂木さん

タイトルは「脳とメディア」。

茂木さんは、プレゼン資料も使わずフリートークみたいに壇上で立って、新聞のあり方についての意見を話した。「こんな講演なんて」と飄々としていたが、話はじめると引き込まれる。最初は新聞をネタにしての話から、後半は脳、スタンダード、

まず茂木さんは「不確実性にワクワクすること」の重要性を指摘した。脳は不確実性を乗り越えることで学習し、不確実なものにワクワクすることで厳しい自然を乗り越えてきたとして、不確実なものを不安がるのはやめたほうがよいと言う。

最近、自分でも「人が今迄自分が知らないものに出会った時に、それを前向き受け入れようとするタイプと、自分の現状の思考に当て嵌まらないものとして受け入れないという2種類のタイプがある」ことを強く感じている。もしかすると、茂木さんの不確実性との向き合い方と似ているのかもしれない。

次に茂木さんは「スタンダードを持つこと」の重要性を強く説いた。つまり自分の中での強い芯を持ちながら、その周辺で多いに遊べと言う。茂木さんはクオリアというライフワークがあるからこそ、様々なTV出演(UFOを探す番組にも出演されたそう)しても、回りからの評判もまったく気にしたいと言い切っていた。この芯/スタンダードというのがくせもので、単なる「自分の意見を変えない」という感じでもなさそう。質問者に「スタンダードを確立するために、多くの人と交流しなさい」と助言していた。いくなネットが発達し、情報が流れても、スタンダードな信頼性のある情報ソースとしての新聞の地位は揺らぐことはないと話を繋げた。

また2chについては「匿名性を使って、普段隠れている無意識が出てしまってる面白いケース」と評していたのはなるほどと感じた。

そして最後の質問に「日本は海外とどう競争すればいいのでしょうか?」という質問に「日本は日本人があたりまえ過ぎて気づいていない、良い面を多数もっている。日本人は欧米の真似をするのではなく、日本人の良い点を普遍的なものとしてまとめて、世界に差出すことが必要だし、世界はそれを待っている」と回答していた。これに強く同意する。

茂木さんの話を聞いていて一番印象に残ったのは、茂木さんは「気づきの塊」だというと。「この前〜していた時に、はっと気づいたんだ」という話が非常に多い。この感覚がきっとクオリアという概念を生み出した源泉なんだろうな、と考えた。

以下まとめ。

  • 偶有性に不安するのではなく、ワクワクすると感じなければいけない。
  • 不確実性に出会うことは、脳の学びの機会に出会うことだ。
  • 確実と不確実のバランスが重要。偶有性と向き合う。
  • 確実な領域が多ければ多いほど不確実なものを積める
  • 強いスタンダード(芯)をもつことが重要
    • 芯はいろんな人と接し経験することで、自分自身を知り造りあげていくもの
  • スタンダードだけではつまらない
  • 日本でインターネットは2chの影響などでサブカルのイメージが強いが、海外では公共の場として最新の論文が読めるといった知識の蓄積というイメージがある。
  • 日本は宝物を持っているので、それを海外に向けて伝えていく必要があるし、皆もそれを望んでいる。欧米の真似をしても彼らは喜ばない。
    • 日本独自、または当たり前と思っているものを、普遍的なものとして表現して差出すことが必要

最後に

先日、茂木さんと平鍋さんは対談したので、次はChange繋りで枝廣さんと、平鍋さんの対談とはどうか。お題は勿論「Sustability for Software development and Ecology」とか。 更に枝廣さんは、セルフマネジメントを支えるプラクティスとして「振り返り」を強く進めている。この件についてはまた別の機会に触れよう。

システム思考に関する書籍